波止場でフェリーを待っていると、向こう岸からの便が到着するところだった。前方の乗り入れ口は扉もなく、着岸したらそのまま走り出せるようになっている。外洋を走るフェリーとは大きさもさることながら、まるで構造も違うようだ。そういえば、以前瀬戸内で乗ったフェリーもこんな造りだったような気がする。このフェリーには前後という感覚はないようで、乗り込むと方向転換もせずにそのまま後ろ向きに航行していった。

　乗客は旅行というようないでたちではなく、ちょっとそこまで、というような雰囲気。かつての青函連絡船は旅行客と地元の人たちが混在していたが、それよりはずっと日常的だ。

　ここでボーデン湖について。
　ライン川はボーデン湖の南西端から流入し、西に流れ出している。氷河によってつくられた湖らしい。長さ74km、幅は16km、面積は約539平方キロメートル。琵琶湖の約8割の大きさである。ヨーロッパではレマン湖に次ぐ大きさで、ドイツ・スイス・オーストリアにまたがる。