レポート目次

  1. 研修に至る経緯
  2. 地理学とARCSの仕事
  3. 研修内容
  4. 学んだこと
  5. 予想外の収穫
  6. ARCSへの提案
  7. 謝辞

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6.ARCSへの提案

近年、日本でも広まってきた「インターンシップ」制度は、学生が実際に企業で働き、大学では教えられない社会人として必要な能力を養うことを目的としている。就職前から社会人の生活に慣れ、就職時の即戦力となり得る人材を育てる、という点で、学生・企業両方に有利だ。インターンシップの期間、内容、報酬の有無は企業によって様々だ。

私の持つインターンシップの印象は「業務に主体的に関わり、企業からの要求も高く、報酬が有るもの」なので、見学が中心だったARCSでの2ヶ月間は、インターンシップより研修という言葉があてはまる。たいていインターンは企業が事前に組んだプログラムに沿って活動するが、ARCSの場合は私が勝手に頼み込んだ研修で特にプログラムはなく、行きあたりばったりに過ごすことが多かった。業務自体が少なかったせいもあるかもしれないが、要求の高い課題を課せられることもあまりなかったと思う。

そこで(孫田さんの要望にお答えして…)、今後やって来るかもしれない学生に、より充実した経験をしてもらうため、ARCSがどのようなインターンシップのプログラムを提供できるかを提案したい。

(1) インターンシップの期間

ARCSは、主に数年にわたって計画されている事業(滝野公園や釧路)に携わっているので、私のように夏休みだけというインターンがARCSの業務に主体的に関わることは難しい。つまり、インターンシップの期間によってプログラムの内容も変わってくる。

(2) インターンシップの内容

私の研修のような「見学」型は、社会を見て求められる能力を知る場にはなるが、実際にその能力を伸ばすまでにはいたらない。それには「実践」型のプログラムを導入する必要がある。2ヶ月の短期インターンシップでは次のような課題の設定が可能だと思う。

  1. 事業の企画(仮想または現実の事業に対して、このような目的なら、どんな調査をしてそれをどう分析したらいいか、というのを自分なりに考えて企画)
  2. リサーチ・プレゼンテーション(ARCSの業務に必要な専門的な知識に関するテーマを調べて発表)
  3. 打ち合わせのまとめ(議論された内容の要約とそれに対する自分の意見を述べる)
  4. フィールド調査に参加

半年以上のインターンシップなら、

  1. 市民参加プログラムやヒアリング調査の企画・運営・報告
  2. フィールド調査の結果分析・報告

などの実務にもっと関わる活動ができるかもしれない。

ほかの大きな企業では、インターンが実際にプロジェクトを動かすという活動もあるようだが、そのように多数のインターンを受け入れることのできないARCSでは、例えば1、2週間ごとに何かの課題を出して評価する、というプログラムが効果的かと思う。

(3) インターンへの報酬

私は実戦力にならない研修生なので報酬は初めから求めていないが、もし長期で直接業務にも関わるようなインターンには交通費程度の支給があってもよいかもしれない。しかし、インターンシップは経験を目的でおこなうものであり、会社の規模や調査・打ち合わせに行く際の交通費が自費でないことを考えると、現金の報酬は特に必要ない気がする。

以上、今回の研修を振り返って、ARCSでのインターンシップ・プログラム実施の可能性について考えてみた。ARCSは良い意味で「ユルイ」会社だったので、私も今度は一般的(?)な企業の「厳しい」インターンシップを体験するといいかもしれない。