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アルビスリーダードルフバッハ(Albisriederdolfbach)
:地図==>>
リマット
アーレ
ライン

 日本と同じように、かつては家々のすぐ傍を小川というか水路が流れていたらしい。都市化とともにそれらの小川は蓋をされ、下水化していった。これも日本と同じだ。
 ちょっと話はそれるが、私が生まれ育った、長井の家の裏にも水路が流れていて、当時下水などなかったので、台所の排水は垂れ流し状態だった。ただ、台所の排水は一度は自宅の中につくった池に流れ込み、残飯などは鯉の餌になった。冬、丸々と太った鯉は、私たちの貴重なタンパク源として珍重されたことを覚えている。

 話を本題に戻そう。それらの下水をもう一度小川としてよみがえらせて住宅街の景観要素にしよう、というのが「バッハコンセプト」である。「都市はこれでいいのかい?」という問いかけだったのだと思う。

 山脇さんのお話によれば、下水の再活性化によって住環境が良くなり、不動産価値も高まったということだった。確かに潤いのある住宅街である。

 残念ながら流末まで追いかけることはできなかったが、下水から小川に戻したために新たに「流域」が発生し、そのために貯留機能も必要となったために、改めて貯水用の池もつくったのだという。そこは落差のある二つ池に区切られ、一つは人々の憩いのために、一つは生物の生息空間として機能するようにデザインされているということだった。

 水質はちょっと、という感じだったのだが…。

 最後に話はまた逸れて長井のこと。一昨年(2006年)、「全国フットパスの集い」という会議に参加したのだが、昔からの水路がフットパスと組み合わされて「みずはの郷」というキャッチコピーで、観光資源として見つめ直そうとしていた。わがふるさともがんばっているなぁ…。

 

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