エデンプロジェクトへは、

宿からだと毎時一本のバスに乗るか、歩けば小一時間。

せっかくの快晴なので歩くことにした。

歩道のない田舎道は起伏に富み、

脇には木々や野花が生い茂る。

車はほとんど通らない。

ただ鳥の声と風の音だけが聴こえてくる。

時間がゆったりと流れる。

やがて眼下に、巨大なサッカーボールを

連ねたような温室が姿を現した。

エデンプロジェクトだ。

それは、退廃した陶土の採取坑跡地に創られた庭園、

自然と技術と芸術が融合した現代のエデンの園。

植物がもたらす恵みを祝い、学び、伝えながら、

自然と人間の共存を考える場所だ。