インスブルック/チェス

2000年5月26月

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私にとっては何とも不思議な光景に出会った。

日本語に訳すと「宮廷庭園」、インスブルックのHofgarden(ホフガルテン)を訪れたときのことである。

公園内のあちこちに大理石のチェス台と思われるものが置いてある。事情を飲み込んでいない私としては、「まぁ何と洒落た市松模様のテーブルだこと」なんて思ってしまったのだが、ぶらぶら歩いていくと、しっかり縁台将棋ならぬ「公園チェス」の舞台。おじさん(いや、おじいさんか)たちが対戦の真っ最中。よくしたもので、岡目八目役もついている。ドイツ語は理解できなかったが、きっと「あーでもない、こーでもない」といっているのだろう。

足を進めると、もっとすごい光景。何と地面に大きなチェス盤が据え置かれ、よいしょとばかりに持ち上げながら、立ってチェスをしてるではないか。こうなると周りの人々も岡目八目で、なんてもんじゃなく、立派な観客。チェスの棋士たちも真剣ならば、観客たちもじっと固唾をのんで観戦しているように見える。

このあと訪れたザルツブルクでも同じような光景を目にした。いやはや、何という文化か…。