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第2回 課題

入院

提出原稿
添削後
  「心が風邪をひく」、最近よく目にすることばである。精神的に落ち込み、鬱の状態になることをいう。今から6年ほど前、私は心の風邪をこじらせ、「心の肺炎」になりかけた。自宅療養ではすまなくなり、入院した。

 入院前には、精神的な落ち込みは性格的に弱い面があるからなのだと思っていた。入院したときにはいたたまれない気持ちだった。しかし、自分自身の症状を「入院するということは、病気なのだ。病気だということは、いつか直る、あるいは薬で症状を和らげることができる。」と考えることができるようになってずいぶんと落ち着き、幸い三週間ほどで退院した。

 ようやく最近になって、「鬱も病のうち。一病息災でいいじゃない。」などと笑いながら話すことができるようになったが、この入院は私の生活を大きく変えることになった。いくら、「病気だから治る。」とはいってはみても、治りにくい環境にいたのでは治癒は難しい。入院の原因となった、肉体的にも精神的にもハードな会社勤めを続けたのでは、治るものも治らないと考えた。そのとき、もとの生活に戻るということは、風邪をひきやすい体質なのに、裸になって寒風に我が身をさらすようなものだと思えたのだ。

 結局、生活のありかたを変えた。サラリーマン生活に終止符を打ち、一人で歩み始めることにしたのである。今でも完治していないが、気楽に付きえあるようになってきた。

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  「心が風邪をひく」、最近よく目にすることばである。精神的に落ち込み、鬱の状態になることをいう。今から6年ほど前、私は心の風邪をこじらせ、「心の肺炎」になりかけた。自宅療養ではすまなくなり、入院した。

 入院前は、精神的な落ち込みは性格的に弱い面があるからだと思っていた。だから入院したときは、いたたまれない気持ちだった。しかし、「入院する以上、これは病気なのだ。病気だということは、いつか直る、あるいは薬で症状を和らげることができる」と考えるようになった。おかげでずいぶんと落ち着き、幸い三週間ほどで退院した。

 以来「心の風邪」をひくことも少なくなる。最近は「鬱も病のうち。一病息災でいいじゃない」などと笑いながら話すことができるまでになった。

 さらに、この入院は私の生活を大きく変えることになる。いくら「病気だから治る」とはいえ、病気にならぬ方がいいに決まっている。それには環境も大事だと気がついた。入院の原因となった、肉体的にも精神的にもハードな会社勤めを続けたのでは、結局またまた病気になってしまう。もっと根本から考え直さねばと思った。

 結局、生活のありかたを変えた。サラリーマン生活に終止符を打ち、一人で歩み始めることにしたのである。今でも完治していないが、少なくとも「心の風邪」と気楽に付きえるようになってきた。

03/12/14
03/01/08

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