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2004年04月19日
■私たちのお値段■
 毎年、年度が新しくなると私たちのお値段も新しくなる。設計業務委託等技術者単価というものが、その時々の物価や平気的な給料の動きにあわせて改訂される。

 「何か、最近ずいぶん下がっているような気がするなぁ」と思って、私が建設コンサルタントに移ってからの単価の推移をグラフにしてみることにした。それが下の図である。1990年から1992年にかけて、ずいぶん伸びている。その伸びは、1994年には揺れ戻しなのか、いったん下がったが翌年から再び上昇。1997年にピークを迎える。1999年あたりまでは高値で留まっているが、それ以降は下がる一方である。下がり具合は少しは沈静化したように見えるが、さてこの先はわからないぞ、というあたりだ。

 経済全体の動きで見ると、当初の上昇はバブル期後半の労働需給状態に端を発していると思われる。つまり、もっと給料のいい職業がたくさんあるので、建設コンサルタントなんかには人が集まらなかった、と解釈される。次の上昇期は、バブルの後始末のために公共事業が拡大した時期である。今度は、公共事業の計画に人が足りなくなったのだと思う。

 下の図は1992年を100としたときの指数である。これを見る限り、技術員や技師Cなど、比較的経験年数の浅い職種で変動幅が大きく、技師Aや主任技師のように長い経験年数を要する職種は変動幅が小さいことを示している。これは景気の変動によって、経験年数の浅い人たちは職業そのものを変える可能性があること、また経験年数が多くなると逆にほかの職業には移りにくくなることを示しているように思う。うがった見方をすると、人手不足の時にはある一定以上の技術を持つ技術者は給料を上げたからといってすぐ見つかるものではないし…、ということかな?

 図中の総合指数は、消費者物価指数である。デフレといわれてはいるが、その変動は私たちのお値段の上げ下げほどではない。ひょっとして私たちは、かなり遅れてきたバブルの中にいて、世の中よりもちょっとだけ遅れてはじけたのかもしれない。それにしても、12年前と同じ単価かと思うとやるせない。いくら年功序列は崩れ去ったとはいっても、あれから12歳も歳食ってんだぜ!

↑ 設計業務委託等技術者単価指数の変動